アフターストーリー

書きました。

発表できなかったんでここに置きます。

「ハイカットー!!!これでクランクアップです!!皆さんお疲れ様でした――!!」

騒がしいを地で行くカメラマンの一声が、僕にこの「茶番」を締めくくらせるための許可を出した。

途端にざわざわとあたりがうれしいような、寂しいような、清々するようなざわめきに包まれていく。僕は内心「もっと、もっとだ」と周りの有象無象に檄を飛ばしていた。

「お疲れさまぁん。最後もいつもと同じくらいにバッチシ決まってたわょん…アテシ興奮しすぎてちょっと三途見えちゃってこまっちゃったの、ね、ね、どこかで休みましょうよん…ね?」

筋肉ハゲゴリラ達磨の監督と共に休むなんて最悪すぎる。こちらが自殺させてくれと頼ませてほしいくらいだ。ずかずか進む。

 「あっ、ちょ、ちょっと待ってよ~~ん!何もシカトしなくてもいいじゃないのよん~、

あっ、クランクアップの打ち上げ、今からすぐにみんなで行くからね!!ってか絶対連行するから!!」

ああくだらない、こういう打ち上げはどんな時だってどうせ無駄に年を重ねたロートルへのごま擂り大会になるのが相場なんだ。そんなところまで自分を落としてまで茶番をやりたいわけじゃない。まあ行くけど。

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今回の題材は「夢の混濁」という作品らしい。突如わけのわからない世界に叩き込まれた主人公が次々と襲い来る理不尽に立ち向かうSFまがいの作品らしい。僕が演じたのはその主人公だ。特にセリフがあるわけじゃないので、一挙一動がアドリブで表現しないといけなかったため、大変演じるのに難儀な思いをした覚えがある。正直こんな役もう二度とやりたくないと思うほどだ。

「お~~うお疲れさん」そう僕に声をかけたのはロートルの内の一人だ。

酒飲み、パチンカス、ヤニカス、ドラッグ。そんな印象を受けた。

「今回もさぁ、なかなか良かったよ。ぼくの20年前と同じくらい!」

黙れと言いたい。

「お疲れ様でした…私…あなたの演技を見てると…」

元OLのお姉さんぽい人がその酒パヤドのカスに対して気の迷いを見せる。

酒とドラッグと愛しさと切なさとこころ強さとドラッグでバカどもが盛り上がることにより生まれた喧騒で僕は包まれる。その中で少し思考に耽る。

どうして皆不思議に思わないんだろうか。ンゴロンゴロ保全区域?グーチョコランタン?

バカバカしい。妄言もいい所だ。気持ち悪すぎる。

オマケにパラサイトサリンジャーΣ63?なんだお前。

デウス・エクス・マキナ的登場をしたと思ったらモヤモヤさせて終わるなんてそれデウス・エクス・マキナの役目あるんか?その完結の仕方、実に空虚じゃありゃせんか?こんなものを考えるやつは絶対に頭がおかしいね。あーーーバカバカしい。

挙句の果てにYosemite?MacOSのバージョン名なんか分かるわけないだろう。

信じられないのがこの作品は僕らの世界で超弩級のヒットを誇っているらしい。

「すごい」「最高」「マジで1度は読め」「これを読まないやつは人生モグリ」

なんてことが掲示板に絶えず書き込まれる。

役者はこの作品を崇拝するまである。

登場人物99割バケモノなのにどうしてそれを崇拝できるんだ。お前らの脳は全部コタンジェントか?その脳みそで裸盛りでもしてやろうか。ん?何故だろう。とても眠い。訳が分からない。意識がマリアナ海溝?チャレンジャー海溝?に沈んでいくようだ。いやまてこの世界に海なんてあったか?海溝なんて出来るだけの海があったか?なんでだろう。そうだ、思い出した。この夢の混濁、誰が作者かわからないのに突如出てきたと思ったらベストセラーになるなんておかしいじゃないか?古文というわけじゃないくらいには文体は新しいのに?何よりこの時代で誰が作者かわからない?

誰が作者かわからないのに?

誰が作者かわからないのに?

誰が作者かわからないのに????

お、おい誰が作者ミーーーーー

あーあ、せっかく私の理想郷にご招待してあげようと思ったのに。

脳みそがンャンボヌァラモンになってしまった結果、ポロニウム塗れになったんだね。ざーんねん。もう少し頑張ってたらアメンボカツ丼へとミーム汚染を遂げていたのに。

君のためにあいうえお作文を作ってあげようか。せめてもの弔いだよ。

あたまがおかしい

いまめのまえにいるおまえのことやぞ

うさぎをまるかじりしろ

えマニエル夫人をボコボコにしろ

おるすばんサービスに接続できるぞ

うん、よくできた!

次の世界では頑張ってね!

ん?私の名前?そんなの聞かなくてもいいでしょ?

ねぇ。パラサイトサリンジャーΣ63だなんて。